依り代がたどる道 第17歩目


 

 その後は何事もなかったように、久しぶりに仕事をした。

彼らに教えてもらいながら、業務を進める。面倒くさそうにしつつも、どこか嬉しそうだ。

「じゃあ、そろそろどっか食べにでも行くか?」

みかんが僕に声をかける。

「え、もうそんな時間?」

窓の外を見ると、すでに日が落ちて夜になっていた。

「今日のところはこの辺にして、あとは俺らに任せとけ」

「いいのかい?」

「今日のところはな、外に出て見れば分かる」

どういう意味だろうか。みかんの面倒くさそうな表情を不思議に思いながら、部屋を出る。

「あ! 学者さん!」

シロが駆け寄ってくる。その後ろで、申し訳なさそうにはなが頭を下げる。

「すみません。どうしても迎えに行くって聞かなかったので……」

「そういうこった。明日からはこうはいかないからな、いいな?」

「はーい!」

 

シロが大きな声で返事をする。

「あんたもだ。ちゃんと面倒見てくれ、しっかりしろ」

「はい、本当にすみません」

「んじゃ、お疲れ様でした」

みかんはそう言って、僕たちを部屋から閉め出した。

 

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